11/14/2009

五島サバと九州の幸 きはる -福岡天神-

こちらに来る前に
福岡出身の友達に
「福岡でオススメの店ってあるー?」
と、聞いて教えてもらっておきながら
自分が見つけたお店が気になって仕方なく
まだ東京にいる時点で予約をしてまで伺ってきました。

だってだって、
五島のサバをこれでもかって程堪能できるらしいんだもん。
焼酎もかなりあるみたいなんだもん。

サバ好き、酒好きとしては
これは黙って見過ごすわけにはいかないのです。

水炊きやもつ鍋は
それこそ東京でも食べられるんです。
でも、五島のサバの新鮮なのは
おそらく難しいんじゃないでしょうか。

と、自分を正当化させたのでありますw

18時オープンと言うことで
その時間に予約をしておいたものの
日田からのバスが遅れてしまい
一旦遅れる旨を電話。

そうすると、何事もないかのように
「大丈夫ですよ!ゆっくりいらして下さい☆」
と、なんとも心の広い応対。

土曜日と言うかきいれ時のしかもいい時間帯に
遅れてしまう失礼な輩にさえ
こんな爽やかな応対をしてしまうなんて!

それだけでいいお店決定。
食べる前から美味しいです、ハイ。

さて、
遅れると言いながらも
お土産も買わなきゃいけない身。
バスセンターのあった三越の地下で
適当にw買い込み、
急ぎ足でお店へ。

しかし、
福岡初上陸なんですが
百貨店が建ち並ぶような繁華街のど真ん中で
平気で道路沿いに屋台が連なっています。
交差点の近くで練炭くべてる店すらありました。

その横を平気でおまわりさんが通るあたり、
こちらの風営法ではまったく問題ないんでしょうね。

かなりアジアな印象で
ちょっと、いやかなり羨ましいです!

そして、
そんな屋台に普通に行列ができてるんです!
今時分はだいぶ外も寒いのにー。
いいなーいいなーこの食文化。

天神の交差点を中洲方面にひたすら歩くこと5分くらいかな?
目的地のお店、「きはる」さんに到着。

恐る恐る引き戸を開けると
イケメンの店員さん達がお出迎え。
「あ、お電話したものですが…」と言うと
「え?すみません、もう一度…」と言われてしまいました。

いやはや、
あまりの恐縮ぶりに声まで遠慮してしまってたみたいです。

カウンターに座りこの度最後の食事がスタート。
店内はカウンターを中心に、奥に座敷があるみたいでした。
こじんまりしてちょっと雑踏感のある店内が
京都時代にお世話になった店に似ていて
じつに居心地が良かったです。

お酒は、もちろん焼酎。
相方は三岳、僕はまずは川越。

昔、川越はあと何年も造れないかもって話を聞いた記憶があって
まだあったんだーと驚いたので注文。

そして、お料理。
まずはこれの為に来た五島のサバを
種類の食べ方で注文。

①泳ぎサバ刺し

なんでも、開店間際まで泳いでいたと言うこのサバのお刺身。
身の弾力が半端じゃありません。
ぷりっぷりではなく、ぶりっぶりなんです。

これはホントに鮮度が良くないと味わえません。

なんかサバを補食する大きな魚になった気分でした。

②炙りサバ刺し

皮目をバーナーで炙ったお刺身。
脂が程よくとけ、
かつ皮が香ばしくなって。
身も先ほどと変わり柔らかくなって。

あー、この脂の甘さがたまりません!

③胡麻サバ

そして、こちら。
種類の話かと思ってたんですけど大違い。
サバの刺身の胡麻和えと言った感じ。

甘めの味付けのゴマだれが
サバに実にあうんです。
これは初めての体験でした。
おいしーい☆

お家でも出来るかしら?


これ以外にも、

・さつま揚げ
・ありた鶏のとり天
なんかも注文。

さつま揚げは、まん丸のお団子で登場。


揚げたてであっつ熱!
甘い九州のお醤油とこれまたベストマッチ。

これまたお初だったのがとり天。


まぁ、唐揚げの衣が天ぷらの衣になっただけなんじゃないの?
なんて軽く考えてました。

そういえば、
熊本の扇温泉から日田に帰る途中とかでも
結構見かけたんです、このとり天なる文字。

道の駅でもお土産で売ってました。

食べてびっくり。
あら、おいしい。

唐揚げと違って下味は付けてない感じでした。
さくっとした衣の中から
ジュワッと肉汁溢れるぷりぷりの鶏肉。

おつゆとお塩の2種類で食べられたんですが、
お塩で食べるのが鶏肉の甘味が引き立って
個人的にはお気に入りでした。

ホントはもっともっと頼みたいメニューがいっぱいだったんですが
いかんせん帰りの飛行機が控えてるので
遅れたせいもあり、
かなり駆け足でいただきお店をあとにしました。

サバを心ゆくまで堪能できて実に幸せでしたが、
サバじゃない他のメニューの充実ぶりに
かなり後ろ髪引かれる思いがしましたw

次来れる機会があれば
今度はゆっくり味わいたいと思います。

ごちそうさまでした☆


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
店名:きはる
住所:福岡市中央区春吉3-21-28-2F
電話:092-752-3312
営業時間:18:00~3:00
休日:日曜日
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

春光園 -日田-

帰りの日。
熊本の扇温泉から日田に戻ってきて、

紹介されていた料理屋、「春光園」さんに伺いました。

お任せで頼んでもらっていたので
こちらは出てくるまで何も知りません。

一応、前日に予約の時間を変更する電話をした際に

『お任せで頂いてますが、何か希望はありますか?
 鮎もご希望でしたら、冷凍物であれば塩焼きで出せますが…』

と、聞かれたので
『今時分で頂けるものでしたら、そのほうが有り難いです』

とだけ伝えておきました。

ここ春光園さんは
元々お店の裏に流れる三隈川で捕れる天然物の鮎の料理で有名だそうで
その手の話で「美味しんぼ」にも載ったのだとか。

だから、
基本的には夏期にその鮎を求めて来訪される方が多いみたいです。

でも、今はすっかり秋。
鮎のシーズンではありません。

そんな時に鮎を頂いても申し訳ないですし、
どうせ頂くなら今美味しいものの方がイイってもんです。

素晴らしきお座敷に通され、
お食事がスタート。



お酒は、地元日田の「薫長 純米」を頂きました。
実は、こちらに寄る前に薫長さんの蔵へ見学に行き
試飲コーナーで2種類程きいてきたんですが
その時の印象は、正直いいものではありませんでした。



でも、こちらの純米酒はきちんと味わうことが出来ました。
お米の味がしっかり出て包容力を感じるものの、
ぴりっとした余韻が全体的に辛口にまとめています。

結果的に食べることになる甘めの味付けの料理や
ジビエ的な料理にぴったりとハマっていました。

変に香りの強い酒とか選ばなくてよかった…w

やはり、地元同士の組み合わせは良いものです。

まず運ばれてきたのは湯豆腐。
この調度品がとっても味があります。
手前にあいてる穴には、
徳利に入ったポン酢が入ってました。


お次は、お盆で色々。
てっさに、フクロダケの炊いたんかな?
それと、鱈胃の煮つけ。
これで「たらおさ」と読みます。


実はこれ、鱈のエラと内蔵の乾物なんだそう。
これを水で戻し、甘辛く煮付けたお料理でした。
女将さんに現物を見せてもらったんですが
いやいや、まるで深海の生物か地球外の生命体か…
ホントに異形と言うのはこう言うものなのかと思う程
その姿はおどろおどろしいものでした。

でも、昔から海産物が手に入らなかったこの地では
北前船からまわってきたこの鱈のおよそ捨ててしまう部分を
貴重なタンパク源として大切に扱い、
有り難く頂いていたそうです。

日本人の知恵ってすごい。

味としては甘辛く味付けしてあるので
変に生臭いとかそう言うことはいっさいなかったのですが
食感がグニグニと固かったのと、
結構小骨のようなものが多かったのが印象的でした。

お次は、ボタン鍋。イノシシです。


こちらでは、4歳のメスしか使用しないとのことです。
それゆえ、
肉には獣臭が全くと言っていい程しないのです。
肉は固めでしたが、
それがちゃんと肉を食べてる感覚を教えてくれます。
冬眠前にこしらえた栄養分で纏った分厚い脂身が
綺麗でとても甘かったです。

またまた獣シリーズ。
今度は、鹿のタタキ。


濃い赤が何とも食欲をそそります。
昨日近くの山で捕れたばかりだと言うこの鹿、
イノシシ同様まったく臭みがなくジューシーでした。
大分と言えばのゆず胡椒を添えて食べると
これまた爽やかで美味しい☆

碗物は、スッポンのおすまし。


スッポンってまだ中国でしか食べたことなかったので
かなりのクセを記憶してたんですが
(それゆえ、実に甘辛い味付けで供されてました向こうでは)
全然そんなことなーい。
ふるふるのゼラチン質もさることながら
身も地鶏のような味で実に美味。

でも、一番びっくりだったのがそのお出汁。
魚介でもなく動物系でもない、言葉の見つからない不思議な味。
でも、何とも言えぬその美味しさにすっかりやられちゃいました。

そして、最後は勉強にと
あゆの塩辛である「うるか」の食べ比べ。

本来、「うるか」と言うのは
捕れた鮎の身を干した時に残った内蔵の部分を使った
「苦うるか」のことだったそうです。


しっかりとした苦味が先行し、
思わず顔がイーってなりますが
濃厚な旨味にまた舐めてみたくなります。


それが、
ここ日田の鮎は尺が大きく干物に出来なかった為に
内蔵の酵素を使って丸ごと塩辛にした
「身うるか」となったそうです。


こちらは、だいぶ爽やかな香りもあり
実に食べやすいんです。
鮎ってやっぱり香りのいい魚なんだと
口に含むと実感します。
初心者はこちらからをお薦めします。


最後に卵で作った「真子うるか」。


これは、まろやかで甘味すら感じます。
ちょっとハマりそうでアブナいですw
ご飯に乗せて、すこーしお醤油かけて… 
あぁ、よだれがw

と、こんな感じで
たっくさんのお料理を出していただきました。

お料理もさることながら
女将さんのお話が面白くて実にためになり
お酒のアテになったのが実に良かったです。

いやはや、勉強させていただきました。


やっぱり、
いいお店できちんとしたお料理を頂くのって素晴しい☆

ごちそうさまでした☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
店名:春光園
住所:大分県日田市隈1-3-3
電話:0973-22-2824
営業時間:11:00~15:00 , 17:00~21:30
定休日:第2・4水曜日
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

11/13/2009

小鹿田皿山

急遽ぽっかり空いた連休。

マイル割りが使えるー!と
いくつか候補を挙げた中から
福岡へ飛んで、
そこからバスとレンタカーを使って
兼ねてから訪問したいと思っていた
「小鹿田焼」の村へ行ってきました。

福岡から高速バスでまずは大分県日田市まで。
これがだいたい1時間20分くらい。

そこから、レンタカーで約30分。

トンネルを抜けて道なりに下っていくと
わずかな谷間にほんとにわずかな数の民家が
肩を寄せあうように点在してました。


車を降りると
耳に聞き慣れない一定のリズムが飛び込んできました。
どうやら、
これが陶土を搗いている「唐臼」の音のようです。
のびやかな間のリズムが実に心地よいのです。



一軒一軒の窯元には作業場だけでなく
展示場があって、
そこで作品を購入することが出来ます。

ゆっくりゆっくり、
それぞれの窯元を覗いては
あれこれ物色させてもらいました。

これは、共同窯。


ここで皆さんが分担して器を焼いています。
2ヶ月もかかる器作り。
中でもこの窯入れから窯出しの行程が
一番緊張されるそうです。
この登り窯の場所によって
だいぶ歩留まりが違うみたいです。



そして、
プライベートで行ったのにも関わらず
ご紹介を頂いた縁で、窯元の一軒である
坂本浩二さんとお話をさせていただきました。

実は、
10月に民陶際というのがあったみたいで
その時にほとんどの器が売れてしまい
今は全くと言っていい程
選ぶ程の量も器がないとのことでした…w

全くもって恥ずかしい話ですが、
そんなことすら知らずに
また今回も現地に行ってみたい!見てみたい!と言う
子供のような初期衝動だけで来てしまいました…。

ここ最近のメディアでの露出による観光客の増大。
(かくいう僕も似たようなもんですね)
国や団体からのあれこれと受ける認定による窮屈な現状。

もうこれ以上変えうる余地のない谷間の皿山でさえ、
昔と同じようにはいかないのかもしれないと言う印象を受けました。

でも、
そんな話もさることながら
一番鮮烈な印象を僕に残したのが浩二さんの綺麗な瞳でした。
どこか知り合いの旅人に面影が似てるのもあって
初めて会った気がしないような気もしたりしてw

そんな澄んだ瞳の人が作る器は、
こちらの一方的な思い入れなんて全く関係なく
見たこちらにものすごい訴えかけるものを感じました。
なんていうんでしょう?
まず、活き活きしてるんです。
そして、ピンと一本筋が通ってる感じ。

媚びてないと言うか。

とにかく、
その堂々とした佇まいに思わず目を奪われました。

そんな浩二さんの作った器を
普段から使わせていただいてると言うことが
とても誇らしく、
またこちらも背筋がシャンとするような気持ちになりました。

窯元の庭先には、こんな風に
ひび割れたりしたんでしょうか?
製品にならないと判断された器達が
ごくごく当たり前のように置かれ使われています。


こうやって生活になじんでる姿を見たからなのか、
展示場にあるものより
こちらの方に魅力を感じてしまいました。

各窯元さんに器が揃ってる時期だったら
きっと、
それぞれそういう器に出会えたんだろうな。

今回、
日帰りでも行けることがわかったので
絶対今度は器が揃ってる時に来てやろうと
固く誓ったのでありました。

11/01/2009

逗子 おかむら -逗子-

常々、蕎麦好きの方からきいたり
ネットでも評価が高い逗子のお蕎麦屋さん「おかむら」さんへ行ってきました。

横須賀線でなく、
あえて京急で新逗子まで。
実は、金沢八景から新逗子までの路線に乗ったことがなく
そちらに乗ってみたかったんです。
初めて見る景色に小旅行気分を感じてしまいましたw

新逗子駅を降り、
駅前から線路を横切る県道24号を
神武寺駅に戻るかのように進んでいきます。

結構歩いてしばらく、
葉桜団地入り口と言う交差点(コンビニのスリーエフがあります)を
右に曲がり、坂道を延々とのぼっていきます。

今日は11月に入ったと言うのに
えらいポカポカ陽気。(真夏日だったらしいです…w)
上着を脱ぎ、Tシャツ姿へ。
軽く汗ばみながらもまだ見ぬお蕎麦を夢見ながら
山をのぼっていきます。

坂道を抜けきる手前、
病院を通り過ぎるとその先、
通りの右側に「おかむら」の看板がやっと目に入ってきました。

閑静な住宅街の端っこにたたずむ
落ち着いた日本風住宅と言った風情です。

暖簾をくぐると
まだ席が残っていたらしく
すぐに席へ通していただきました。

後からどんどんやって来たお客さんを見て、
運がよかったなと思わざるを得ませんでした。

まずは、酒肴を。
でも、お店にくるまでに
この温かさのおかげで喉が乾いていたので
まずはビール。

そして、
頼んだアテは
・にしん山椒漬け
・鴨のネギ焼き
・天ぷら盛り合わせ

のどを潤し、いざ日本酒。
種類はあまりなく4種程でしたかね。

その中で、
・始郎 純米吟醸 (静岡)
を注文。
香りは高くなく、かつ軽やか。
結構好みなタイプのお酒に感じました。

先鋒は、にしん山椒漬け。


思った程山椒は強くないものの
身欠きニシンが程よくさっぱりと頂けてよかったです。
おそらく、お酢がいいアクセントになっていたかと。

次は、鴨のネギ焼き。


鴨肉ってきくとそのジューシーな赤身から
どうしてもソースで、ってイメージなんですが
こちらのは軽く塩で味付けしてるだけなんです。
自分のイメージをウマい具合に外していただき
これもこれでありだなぁと感心してしまいました。

最後に天ぷら。
内容は、
・ししとう
・いんげん
・さつまいも
・しめじ
・まいたけ
・いか
・海老



塩と天つゆで。
こちらの天つゆは甘味が少ない印象でした。

中でも嬉しかったのが、いか。
ギリッギリの火加減で実に柔らかくって美味しい!
何のストレスも感じずにふわっと噛み切れるイカなんて
一体いつ以来だろう…

そしてそして、
お待ちかねの本命。おそば。

・ざる
・変わりそば

を注文。

まずは、ざる。
二八で供されるこちらのお蕎麦。
実に艶があります。


十割のような鮮烈な蕎麦の香りとはまた違い
実に柔らかい。
そして、なにより良かったのがその滑らかな喉越しとバランス。
上品なんだけどしっかり芯が残ってるような印象でした。

そして、変わり蕎麦。
今の時期は柚子だそうです。


こちらも絹のような光沢のある色艶がまた見事。
そばつゆにつけずそのまま啜ってみると
柚子の爽やかな香りが口一杯に広がって
実に清々しい☆

蕎麦で季節を食べるって言うのもいいもんですね。

そばつゆにつけても
つゆに変に負けることもなく
きちんとその香りが楽しめました。

毎季節、この変わり蕎麦を楽しみに来たいものです。

とと、
最後にそば湯。
こちらのそば湯はとろみはあまり感じませんでしたが
実に心地よい甘味があり美味しかったです。
思わず残ったそば湯だけにお塩を足して
最後の1滴まで楽しんでしまいました。

結構アクセス不便な場所にも関わらず
次々とお客さんがやってくるのも大納得のお味でした。

ごちそうさまでした☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
店名:逗子 おかむら
住所:神奈川県逗子市桜山6-1326-74
電話番号:046-872-9803
営業時間:11:30〜15:00,17:30〜20:00
定休日:火曜,第1・3・5水曜
備考:逗子,新逗子駅から
   「葉桜」行きのバスで行けるようです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆