7/25/2008

いきなりリターン 拉萨

街もまだ夢の中な午前4時。
フロントのソファーで寝てるスタッフを起こし チェックアウト。
ホテル前までピックアップに来ていたランクルに乗り込む。
真ん中の列を買ったはずなのに 助手席に座らせてもらう。
中を見渡すと薄暗いので顔までははっきり確認できないものの
僕と運転手以外に6人乗ってるようだった。 (すべて中国人)
街を抜けると嘘のように灯りがなくなり
僕らは暗闇の中を逃げるように進む。
時折、遠くのほうに 民家の灯りやトラックのライトが浮かび上がる。

いよいよだ。
いつか描いていた
先のわからない冒険のような旅。

このシチュエーションが僕の中の何かをくすぐってやまない。
不安だらけのこの旅立ちに 軽い興奮をおぼえ、
目は冴えに冴えている。
なにか、これが小説のワンシーンのような
ひどく自分にはドラマチックに映る。
対向車の決して下ろされないハイライトさえ
今の僕にはこの旅の素敵な演出の一部に過ぎない。

途中、いくつかの検問を越える。
時間が時間なので誰もおらず そのままスルー。
果たして、 僕らは厳しいと噂のサガの検問をどうやって越えるのだろう。
まだ見ぬ難関を想像しては ひとり手に汗を握る。




4時間後。

チベット第2の都市、シガツェに到着。
朝ごはんを摂り、しばし休憩。

車の中で待っていると、
隣で電話をしていた運転手がこちらに向き直っていきなり、
「ソーリー」と言った。
意味が解らない、いや解りたくない

なんと、この代理店 正直にパーミットを申請していたらしく
それがやっぱり取れなかったので 今日はラサに戻れ、と言うのだ。


突っ込みたいことはいっぱいある。 ありすぎて困るぐらい、ある。
そもそも、パーミットは取ってから向かうものだろう。
手元になくてどうやって公安に説明するのか。
ていうか、他の代理店がすべからくそうなのだから
取れないことぐらい当に解っているはずだ。

それを承知しての
運命共同体、共犯としての出発ではなかったのか?

色々な感情が頭の中を駆け巡る。

でも、そう上手くはいかないだろうと思っていた自分もいたので結構冷静。

バスステーションから一人チケットを買い、ラサへ。

そして、ヤクホテルのフロントに照れ隠しに「ただいまー」と言ってみるW

一応、代理店は 明日また来いと言ってるので
話を聞きに行って来ようと思う。
運転手曰く、明後日に行けるという根拠のない情報もあったし。

それが無理なら、別の手。
バスかヒッチに切り替えよう。

ていうか、非開放地区に行く前に戻されるってWWW
さすが自分、と思わずにはいられない…

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