10/06/2008

非情城市

3月に台湾に行った時に訪れた「九份」。
その町並が「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルになっている。
そんな噂をどっかで聞きかじり
どんなもんかと行ってみたのが始まりだった。

そのあと、
あの町自体が舞台になってる映画があると知ったのが
この「非情城市」。

日本でレンタルしようと思ったけど
最寄りのビデオ屋には残念ながら置いてなかった。

ていうか、
日本のビデオ屋って中国系の作品のストック全然ない気がする。
あっても、香港系アクションものか
ここ最近ちょっとだけ盛り上がったチャン・イーモウ監督作品くらい。
「恋する惑星」さえ、借りれなかったもん。(なぜかビデオだけでDVDがなかった)

個人的に、
中国系の映画、とりわけヒューマンドラマ系の作品がすごい好きなので
とてもやるせない気持ちな訳です。

で、
実は成都滞在中、
成都のアキバと呼んでいた電脳街で
偶然このDVDを見つけ購入。

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1945年、日本の全面降伏による
日本統治時代の終わりから、
国民党が台北に遷都してくるころまでの
台湾の人々を描いた作品。
長らくタブーとされていた「二・二八事件」を
初めて扱った作品だそうです。

そこに暮らす市井の人々にとって、
国というものはいったいなんなんであろうか。
それまでの日本の植民地としての生活から
晴れて大陸の統治下に戻れたはずの人々にとって
それは明るい未来ではなく
むしろ暗い未来の始まりだった。

統治者によっていとも簡単に
それまでの価値観がひっくり返される。
人々は、抗えようのない力にただただ振り回される。

そこに国民への慈悲や愛が感じられない国家の運営。

そんなものを感じたとき
果たして世界に国家というものが存在する必要性が
本当にあるんだろうかと疑問に思った。
そんなものがあるがために
利権や何やらが生まれ争いが生まれてる気がする。

一体そもそも何のためにあるんだろう?

それがそこに暮らす人々のためになっていないのなら
あるだけマイナスなのではないか?

僕らは自分たちで生まれる国を選んで来れない。
だのに、その生まれた国に人生の大方を縛られてしまう。
それって、すんごいアンフェアだと思う。
自分たちで国や政府を選べたらいいのにね。
政府をソフトにしちゃうって言うのかな。

なんか無政府主義者みたいな感じになっちゃったな…。


今回、中国を旅してる時にも感じた
このアンフェアな感覚。
それを再びこの映画の中で呼び起こされ
またまた考えさせられた一本。

中国語の勉強になるかなと思ったんだけど、
作品で使われてたのってどうやら普通話じゃなかったですね。

それから、「九份」の町並って
作品の中の雰囲気ほとんど残ってなかったですね。
今じゃホントすんごい観光地ですもんね。

でも、あの崖っぷちにたつロケーションが
個人的にはすっごい好きです。

たぶん、知らなかったら通り過ぎてるw

そうそう、それから
「千と千尋の神隠し」のモデルって言う話なんだけど
1カ所だけそう思える階段があるだけで
直接の影響はないと思いました。

多分、その坂道にある赤い提灯と
「千と千尋の神隠し」に出てくる中に
中華料理を出すお店があったので
そこらへんから誰かが連想したんじゃないかな。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
作品名:非情城市
監督:侯孝贤
製作国:台湾,香港
公开年:1989年
出演:李天禄、陈松勇、梁朝伟、黄倩如、他。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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