「お施餓鬼に行ってくる」と
義母さんはすぐ裏手にある菩提寺へと出かけていった。
おばあちゃんにそう言われたものだから、
そこの敷地内にあるお墓参りもかねて
足を運んでみた。
このお施餓鬼とやら、
年忌法要やお彼岸くらいしか菩提寺さんと縁のない我が家では、
これまで聞いたこともない行事だった。
しかるに無縁仏の供養のようだった。
この行事の為に、
地域に住む檀家さんたちが一斉に集まって
お坊さんの読経に耳を傾け
祈っている姿に新鮮な驚きを覚えた。
お寺の入り口では、
地域の子供達が灯籠を売っていて
お施餓鬼に参加した檀家さん達が
その最後に、それらを買い求め
お寺の前の川に設置されたスロープから川へ降り
各々灯籠を流して供養を締めくくっていた。
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