2/14/2002

2002年2月14日③上海

切符を無事手に入れた僕たちは、
道具を調達するために買い物をする事にした。
地下鉄1号線に乗り「陜西南路」駅から少し行ったところにある市場?に向かった。

そこは、小さな商店が区画内にびっしりと詰め込まれていて
道幅のさらに狭いアメ横を歩いてるような感じのところだった。
店舗数の割には、商品数は少ない気がした。
おそらく、仕入れ元は同じなんだろう。

時計を普段つけない僕は
もちろんこの旅のために時計を買ってくる事もなく
しかし、この先絶対時計が重宝するので
ちょうどいいし、ココで探す事にした。

なぜか、どの店の主人もうちらを日本人と判ってか、
「ヘイ、ロレックス。プルガリ。グッティ。」などと声をかけてくる。

アジアはパチもんが出回る事で有名だが、
この人たちに罪の意識は全くない様に思った。
おそらく売れれば何でもいいのだ。
でもさ、ブランド名ぐらいはちゃんと言ってあげようよ?
本家に失礼じゃない?
(…もしかして、わざと言ってないのか!?
   はじめから違うブランドだと主張するために!?
   まさかね、ロゴとかまるで同じだもんね。)

それから、いくらニホンジンだからといって
小汚い格好してる僕がブランドもの買うと思う?
人見て商売した方がいいって。労力の無駄だよ。

そんなブランドものの時計に混じって「毛沢東」が手を振る時計が売っている。
日本でも輸入雑貨屋なんかで置いてるアレである。
いくら?と聞くと
店員がタタタッと電卓を弾く。
70元だぁ〜?
おいおい、僕の一泊分より高いじゃないのっ!
はい、却下。いいよ、他で聞くから。
が、他の店で聞いても値段は70のまま…

値段の見合わなさに買う気が失せ
もう時計なしでもいいかなーと思った、その時!
違う人物が手を振る時計が僕の視界に入ったのだった。

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