1/19/2009

強く儚い者たち

この港はいい所よ
朝日がきれいなの
住み着く人もいるのよ
ゆっくり休みなさい
疲れた羽を癒すの


Coccoの「強く儚い者たち」を聞いていたら
↑の歌詞でふとチャネルが繋がった。

それは、5年前の東南アジア旅行の時のワンシーン。




ベトナムのホーチミンからホイアンへ向かうバスは、
夜中にとある集落で休憩の為に停車した。

そこは休憩所もかねる(?)ホテルだった。
バスの中で縮こまった身体を伸ばしホテルに入っていくと
食堂とおぼしきスペースの向こう側に
真っ暗ながらも海のような光景が広がっていた。

テラスで夜風に当たりながらその光景を眺めていると、
遥か向こうの視線と同じ高さに、
いくつもの灯りがゆっくりと横に移動していた。
闇に浮かび上がるその橙や黄の灯りは
まるでナウシカの最後の方で出てくるオウムの大行進のようだった。

吸い込まれるようにその光景を見つめていたその時、
ふとすぐ後ろから女の人の声がした。

「どう?いい所でしょう?日本人も結構来るのよ。
 バスは明日も来るし、泊まっていったら?」

声の主は、ここのホテルのオーナーの外国人女性だった。

「そうだね、もし気に入ったらそうするよ」

そう答えた僕は、
結局エンジン音をあげ始めたバスに足を向かわせた。




そんなワンシーン。

「クイニョン」たしか、彼女はその場所をそう言ってたっけ。






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