11/14/2009

春光園 -日田-

帰りの日。
熊本の扇温泉から日田に戻ってきて、

紹介されていた料理屋、「春光園」さんに伺いました。

お任せで頼んでもらっていたので
こちらは出てくるまで何も知りません。

一応、前日に予約の時間を変更する電話をした際に

『お任せで頂いてますが、何か希望はありますか?
 鮎もご希望でしたら、冷凍物であれば塩焼きで出せますが…』

と、聞かれたので
『今時分で頂けるものでしたら、そのほうが有り難いです』

とだけ伝えておきました。

ここ春光園さんは
元々お店の裏に流れる三隈川で捕れる天然物の鮎の料理で有名だそうで
その手の話で「美味しんぼ」にも載ったのだとか。

だから、
基本的には夏期にその鮎を求めて来訪される方が多いみたいです。

でも、今はすっかり秋。
鮎のシーズンではありません。

そんな時に鮎を頂いても申し訳ないですし、
どうせ頂くなら今美味しいものの方がイイってもんです。

素晴らしきお座敷に通され、
お食事がスタート。



お酒は、地元日田の「薫長 純米」を頂きました。
実は、こちらに寄る前に薫長さんの蔵へ見学に行き
試飲コーナーで2種類程きいてきたんですが
その時の印象は、正直いいものではありませんでした。



でも、こちらの純米酒はきちんと味わうことが出来ました。
お米の味がしっかり出て包容力を感じるものの、
ぴりっとした余韻が全体的に辛口にまとめています。

結果的に食べることになる甘めの味付けの料理や
ジビエ的な料理にぴったりとハマっていました。

変に香りの強い酒とか選ばなくてよかった…w

やはり、地元同士の組み合わせは良いものです。

まず運ばれてきたのは湯豆腐。
この調度品がとっても味があります。
手前にあいてる穴には、
徳利に入ったポン酢が入ってました。


お次は、お盆で色々。
てっさに、フクロダケの炊いたんかな?
それと、鱈胃の煮つけ。
これで「たらおさ」と読みます。


実はこれ、鱈のエラと内蔵の乾物なんだそう。
これを水で戻し、甘辛く煮付けたお料理でした。
女将さんに現物を見せてもらったんですが
いやいや、まるで深海の生物か地球外の生命体か…
ホントに異形と言うのはこう言うものなのかと思う程
その姿はおどろおどろしいものでした。

でも、昔から海産物が手に入らなかったこの地では
北前船からまわってきたこの鱈のおよそ捨ててしまう部分を
貴重なタンパク源として大切に扱い、
有り難く頂いていたそうです。

日本人の知恵ってすごい。

味としては甘辛く味付けしてあるので
変に生臭いとかそう言うことはいっさいなかったのですが
食感がグニグニと固かったのと、
結構小骨のようなものが多かったのが印象的でした。

お次は、ボタン鍋。イノシシです。


こちらでは、4歳のメスしか使用しないとのことです。
それゆえ、
肉には獣臭が全くと言っていい程しないのです。
肉は固めでしたが、
それがちゃんと肉を食べてる感覚を教えてくれます。
冬眠前にこしらえた栄養分で纏った分厚い脂身が
綺麗でとても甘かったです。

またまた獣シリーズ。
今度は、鹿のタタキ。


濃い赤が何とも食欲をそそります。
昨日近くの山で捕れたばかりだと言うこの鹿、
イノシシ同様まったく臭みがなくジューシーでした。
大分と言えばのゆず胡椒を添えて食べると
これまた爽やかで美味しい☆

碗物は、スッポンのおすまし。


スッポンってまだ中国でしか食べたことなかったので
かなりのクセを記憶してたんですが
(それゆえ、実に甘辛い味付けで供されてました向こうでは)
全然そんなことなーい。
ふるふるのゼラチン質もさることながら
身も地鶏のような味で実に美味。

でも、一番びっくりだったのがそのお出汁。
魚介でもなく動物系でもない、言葉の見つからない不思議な味。
でも、何とも言えぬその美味しさにすっかりやられちゃいました。

そして、最後は勉強にと
あゆの塩辛である「うるか」の食べ比べ。

本来、「うるか」と言うのは
捕れた鮎の身を干した時に残った内蔵の部分を使った
「苦うるか」のことだったそうです。


しっかりとした苦味が先行し、
思わず顔がイーってなりますが
濃厚な旨味にまた舐めてみたくなります。


それが、
ここ日田の鮎は尺が大きく干物に出来なかった為に
内蔵の酵素を使って丸ごと塩辛にした
「身うるか」となったそうです。


こちらは、だいぶ爽やかな香りもあり
実に食べやすいんです。
鮎ってやっぱり香りのいい魚なんだと
口に含むと実感します。
初心者はこちらからをお薦めします。


最後に卵で作った「真子うるか」。


これは、まろやかで甘味すら感じます。
ちょっとハマりそうでアブナいですw
ご飯に乗せて、すこーしお醤油かけて… 
あぁ、よだれがw

と、こんな感じで
たっくさんのお料理を出していただきました。

お料理もさることながら
女将さんのお話が面白くて実にためになり
お酒のアテになったのが実に良かったです。

いやはや、勉強させていただきました。


やっぱり、
いいお店できちんとしたお料理を頂くのって素晴しい☆

ごちそうさまでした☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
店名:春光園
住所:大分県日田市隈1-3-3
電話:0973-22-2824
営業時間:11:00~15:00 , 17:00~21:30
定休日:第2・4水曜日
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

0 Comments: