11/13/2009

小鹿田皿山

急遽ぽっかり空いた連休。

マイル割りが使えるー!と
いくつか候補を挙げた中から
福岡へ飛んで、
そこからバスとレンタカーを使って
兼ねてから訪問したいと思っていた
「小鹿田焼」の村へ行ってきました。

福岡から高速バスでまずは大分県日田市まで。
これがだいたい1時間20分くらい。

そこから、レンタカーで約30分。

トンネルを抜けて道なりに下っていくと
わずかな谷間にほんとにわずかな数の民家が
肩を寄せあうように点在してました。


車を降りると
耳に聞き慣れない一定のリズムが飛び込んできました。
どうやら、
これが陶土を搗いている「唐臼」の音のようです。
のびやかな間のリズムが実に心地よいのです。



一軒一軒の窯元には作業場だけでなく
展示場があって、
そこで作品を購入することが出来ます。

ゆっくりゆっくり、
それぞれの窯元を覗いては
あれこれ物色させてもらいました。

これは、共同窯。


ここで皆さんが分担して器を焼いています。
2ヶ月もかかる器作り。
中でもこの窯入れから窯出しの行程が
一番緊張されるそうです。
この登り窯の場所によって
だいぶ歩留まりが違うみたいです。



そして、
プライベートで行ったのにも関わらず
ご紹介を頂いた縁で、窯元の一軒である
坂本浩二さんとお話をさせていただきました。

実は、
10月に民陶際というのがあったみたいで
その時にほとんどの器が売れてしまい
今は全くと言っていい程
選ぶ程の量も器がないとのことでした…w

全くもって恥ずかしい話ですが、
そんなことすら知らずに
また今回も現地に行ってみたい!見てみたい!と言う
子供のような初期衝動だけで来てしまいました…。

ここ最近のメディアでの露出による観光客の増大。
(かくいう僕も似たようなもんですね)
国や団体からのあれこれと受ける認定による窮屈な現状。

もうこれ以上変えうる余地のない谷間の皿山でさえ、
昔と同じようにはいかないのかもしれないと言う印象を受けました。

でも、
そんな話もさることながら
一番鮮烈な印象を僕に残したのが浩二さんの綺麗な瞳でした。
どこか知り合いの旅人に面影が似てるのもあって
初めて会った気がしないような気もしたりしてw

そんな澄んだ瞳の人が作る器は、
こちらの一方的な思い入れなんて全く関係なく
見たこちらにものすごい訴えかけるものを感じました。
なんていうんでしょう?
まず、活き活きしてるんです。
そして、ピンと一本筋が通ってる感じ。

媚びてないと言うか。

とにかく、
その堂々とした佇まいに思わず目を奪われました。

そんな浩二さんの作った器を
普段から使わせていただいてると言うことが
とても誇らしく、
またこちらも背筋がシャンとするような気持ちになりました。

窯元の庭先には、こんな風に
ひび割れたりしたんでしょうか?
製品にならないと判断された器達が
ごくごく当たり前のように置かれ使われています。


こうやって生活になじんでる姿を見たからなのか、
展示場にあるものより
こちらの方に魅力を感じてしまいました。

各窯元さんに器が揃ってる時期だったら
きっと、
それぞれそういう器に出会えたんだろうな。

今回、
日帰りでも行けることがわかったので
絶対今度は器が揃ってる時に来てやろうと
固く誓ったのでありました。

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