3/31/2008

爾の御霊の眠る山

一昨日、まさかの旅順ツアーで撃沈して以来、

再びの旅順観光への挑戦。



タクシーを捕まえていざ旅順へ。



旅順への最大の目的、「二〇三高地」。



坂道をのぼり山の上部へ。

突き当りを右に曲がったその先に、あの弾丸の形をしたモニュメントが姿を現した。

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そこには、乃木大将が命名した「爾霊山」の文字。

存外に小さかったのには拍子抜けしたが

これをみて、

ここでかの激戦があったのだと思いを馳せる。



さて、二〇三高地といえば

そこから旅順港を砲撃できるということで注目を浴びた場所。



その旅順港は、坂の上の雲でのやり取りのように見えるのだろうか。

この点が実はすごい気になっていた。



が、まさに「眼下に一望できる」とはこのことというぐらい

遮る物なく見渡せるのである。

この景色には、正直感動してしまった。

IMGP4500

なんせ、自分が小説を読んでイメージしていた風景が

こうも鮮やかに再現されているのだもの。



今でこそ、木が生えて山らしい感じだけど

当時は禿山で隠れるところがなかった日本兵は

面白いようにロシア兵の放つ銃弾の的になっていったんだと

この地から下を見下ろして思い出す。



まだ山の一部には、当時の塹壕が残っていた。

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この間を、伝令が走り

上ってくる日本兵を銃撃したりしたのだ。



うーん、なんていう世界だろう。



こういう行いにおける正義という大義名分の力というのを考えさせられる。



ここで散っていった数多の兵士たちの歴史があって

今のこの世界がある。



まだ、今でも世界から争いは消えることない。

やはり、今も昔も争う理由はそう変わらない。



もしかして、この世界よりももっと大きな概念が出現して初めて

地球内での争いはなくなる方向へ行くのかもしれない。



でも、それって本質的な解決にはならない。



生きることは、常に誰かの犠牲の上に立っているということ。



そういう意味で言ったら、争いなんてなくならないのかもしれない。

でも、馬鹿げた争いでお互いを滅ぼすなんて事はなくなってほしいなと思う。



今日は、THA BLUE HERBの「We Must Learn」をかみ締めるように聴いて眠ろうと思う。



黙祷。


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